超人への道

頑張らずに努力する方法を示します。

AIには何ができる?具体例5選!【AIの学力は大学進学者の上位20%】

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「今聞いてる先生の話ってこの先、役に立つの?」

「AIってニュースでよく聞くけど、仕事無くなるの?AIが人間を超えるって本当?」

 

この記事はこんな疑問を持っている方に向けて書きました。

 

初めまして。

フリーランス1年目の出川ルイと申します。

どのくらいの人がAIによって失業するのか、前回の記事で書きました。

sekaiwokaeyo.hatenadiary.com

得体の知れないものって怖いですよね。

AIは何ができ何ができないかを正確に知って頂けたら幸いです。

 

目次を見て、興味を持った章から読んで下さい。キーボードのHomeを押せば、ページ上部に移動します。

アイキャッチ画像の提供サイト:Pixabay、作者:Gerd Altmann

 



1.AIの定義

 このサイトではAIの定義を次のようにする。

 

AI:人工知能を実現するための技術。その中でも、現在から、10から20年後までの技術。10から20年後までには新しい技術の発見は無く、現在の延長線上の技術だけとする。

 人間と同等の知能を持つ人工知能を意味しない

 

 

2.AIの実力ってこんなもん!

2.1.得意な能力

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提供サイト:Pixabay、作者:Gerd Altmann

・計算技術

 ここで言う計算技術は四則演算である。計算技術を用いた具体例を2点紹介する。

1.AIはコンピュータ(計算機)なので、当然のごとく計算が得意である。皆さんもご存知のように、Excelなどの表計算ソフトに1から1000まで入力後、その合計値もすぐに計算できる。

2.このように電卓でできる計算ではなく、学校で習う数学の問題はどうか。

 東大模試の数学〈理系〉で「6問のうち4問に完答し、偏差値は76.2」である。(*1、22p)驚愕の事実である。ほとんどの人が、高校数学の能力がAIより劣っている

 

・情報検索技術

 具体例を紹介する。

1.2011年にアメリカのIBM社がワトソンという名前のAIを開発して、アメリカのクイズ番組で1番になった。

 この番組では、「モーツァルトの最後の交響曲と同じ名前を持つ惑星は何ですか?」というような問題が出る。

 この時、「ワトソンは、問題文から「モーツァルト」「最後」「交響曲」をキーワードに選びウィキペディアの「交響曲第41番(モーツァルト)」のページを簡単に見つけ」る。(*1、50p)AIは文章が読めないので、そのページの中で、3つのキーワードが多い記述を見つけ、「惑星」のカテゴリーに入っている言葉を探して、答えを出す。

 このようにワトソンは情報検索をして、1番になった

2.このAIが銀行のコールセンターに導入された。「コールセンターの業務は(中略)用意されたFAQ(よく聞かれる質問とその解答集)に沿って応答し、複雑な問題の場合は担当部署に転送するのが業務」である。(*1、51p)

 AIは、顧客の問い合わせが、FAQのどれに該当するか検索し、適切な答えに近い順に並べて表示する。オペレーターが選んだFAQが正解なら、「正解」のボタンを押すことで、AIは自律的に学習して賢くなる。



音声認識技術、自然言語処理技術

 音声認識技術は一般的な人間の声を認識できる技術である。自然言語処理技術は、人間が日常的に使う言語(自然言語)を処理する技術である。

 具体例を紹介する。

1.身近な例がSiriである。簡単な会話なら受け答えできる。

2.銀行のコールセンターにも用いられる。AIは高齢者の声や方言の認識は難しい。そのため「顧客の問い合わせの内容をオペレーターが復唱」する。そして、「顧客とオペレーターのやり取りを正確にテキストに記録する」。(*1、51p)

 

・画像処理技術

1.身近な例が自動運転である。道路から飛び出したのが、ビニール袋かネコか子どもかを即座に判断する必要が有るアメリカの大学院生レドモンが開発したYOLOというシステムでは、「一画像あたり0.02秒」で判断する。(*1、42p)

2.放射線画像診断医は、CTやMRIなどで撮影された画像から病巣の有無を判断する。AIは、画像の中から、特定の物を発見するのが得意である。「3年のうちに画像診断という仕事がAI に奪われてしまう可能性がある」。(*1、65p)

 

・学力

 「AI はすでにMARCHの合格圏内の実力を身につけた(中略)その序列は大学進学希望者の上位20%です。」と新井氏は言う。(*1、272p)

 教科ごとの偏差値は次である。(*1、80,81pを編集。)

・2016年度センター模試

数学IA 57.8

数学ⅡB 55.5

世界史B 66.3

5教科8科目全体 57.1

・2016年度東大模試

数学(理系) 76.2

世界史 51.8

英語 50.5

国語 49.7



2.2.苦手な能力

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提供サイト:Pixabay、作者:Michal Jarmoluk

 数学者の新井紀子氏は次のように言う。

「AIの弱点は、万個教えられてようやく一を学ぶこと、応用が利かないこと、柔軟性がないこと、決められた(限定された)フレーム(枠組み)の中でしか計算処理ができないこと」、「意味が分からない」ことである。(*1、171p)

 

 AIの弱点を次のように整理して、それぞれ説明する。

万個教えられてようやく一を学ぶ。発想力が乏しい。

決められた枠組みの中でしか計算できない。(応用が利かない、柔軟性が無いと統一する。)

・意味を理解できない。読解力が乏しい。



・万個教えられてようやく一を学ぶ。発想力が乏しい。

 これは良い効果を発揮する時も有る。しかし、1万という大量のデータが揃わない時は上手くいかない。

 具体例を3点紹介する。

1.センター試験には語句整序問題が有る。例えば次のような問題である。(*1、98,99p)

 This problem is too ▭▭▭▭▭▭ ease.

 右記(引用者注:上記)の未完成の文章の6つの箇所に、(comlex, me, solve, for, to, with)を適切に入れて正しい文にしなさい。

 AIに「500億単語からなる19億文を学習させて」、センター模試の語句整序問題で満点を取った。(*1、102p)

 対して、新井氏は『基本英文700選』という参考書で英文を暗記して一橋大学に合格した。このように、(一部の?)人間は暗記する文は少ないが、類推して数多くの問題に対応できる。

2.銀行のコールセンターのAI は高齢者の声や方言の認識は難しい。これはデータが少ないからである。対して、「標準語を話す20代から40代の人」はデータが多いので、認識率が高い。(*1、51p)

3.AIは、万個教えられてようやく一を学ぶ。ということは、一を聞いて十を知る能力が乏しい。つまり、発想力が乏しい。

 

・決められた枠組みの中でしか計算できない。

 具体例を2点紹介する。

1.AIは2014年の英語のセンター模試の語句整序問題では84%の正当率であった。しかし、本番のセンター試験では正答率33%であった。これは問題の傾向が変わったからである。例えばこのような問題である。(*1、100,101p)

①から⑥の語を並べて、適切な文を作れ。

Maiko: Did you walk to Mary's house from here in this hot weather?

Henry: Yes. I was very thirsty when I arrived. So ▭▭▭▭▭▭ drink.

①asked ②cold ③for ④I ⑤something ⑥to 

 上の問題と比較してほしい。どの程度傾向が変わったか。

 受験生の正答率は例年通りであった。しかし、AIにとっては全然違う問題であった。このように枠組みが少し異なるだけで、AIは計算が出来なくなる。

2.「介護や畦の草抜きのような柔軟な判断力が求められる」仕事は10から20年後まで残る職業に入っている。(*1、171p)

 

・意味を理解できない。読解力が乏しい。

 具体例を2点紹介する。

1.新井氏は次のように言う。(*1、137,138p)

 「意味」は観測不能です。

 そう言うと一部の AI 研究者は猛然と反論します。たとえば、「机の上にリンゴと鉛筆がある」という文に対して、実際に机の上にリンゴと鉛筆がのっている画像を合成できたら、それはAIが文の意味を理解したことになると主張します。

 本当にそうでしょうか。では、「太郎は花子が好きだ」はどんな画像にするのでしょう。「本当にそうでしょうか。」は? さらに言えば、「『太郎は花子が好きだ』はどんな画像にするのだろう」という文は? 「そんなことは不可能だろう」という文は?

 (中略)

人間ならば誰もがわかる「その通りの意味」をAIに教える道具は少なくとも数学にはありません。

 このように、AIはそもそも意味を理解しない

2.新井氏は次のように言う。(*1、146p)

 「私は先週、山際と広島に行った」と入力すると、グーグル翻訳は「I went to Yamagiwa and Hiroshima last week.」と出力します。ここに意味を理解しないAIの機械翻訳の限界があります。

 今、私の手元にあるスマホでOKグーグルを試す。「I went to the mountains and Hiroshima last week」と出力した。惜しい。

 現状では、AIはこの程度の読解力である。そして、これは「意味を理解しないAIの機械翻訳限界」である。(*1、146p)



3.未来予想図

 10から20年後には次のような未来になる。

1.失業者が年間60万から100万人になる。

2.高いスキルと低いスキルの労働者に二極化する。中程度のスキルの労働者はAIによって仕事を奪われる。新しく産業が生まれるが、読解力の不足のため、中程度のスキルの労働者は低スキルの低賃金の仕事にしかつけない

 詳しくはコチラの記事を読んで下さい

sekaiwokaeyo.hatenadiary.com



4.行動

 失業しないためにはどういう対策をとれば良いのだろうか。初めに、基盤である読解力をつけつつ、柔軟性や発想力を重視した仕事にシフトしていった方が良い。

 詳しくはコチラの記事を読んで下さい。

sekaiwokaeyo.hatenadiary.com



5.社会保障

 これから先、AIの進出に対応できずに失業する人が出てくる。もしかしたら、自分がなるかもしれない。そういう人のために、みんなで支え合う社会制度が必要である。

 増税によって、みんなで支え合う社会を作るメリットについて、コチラの記事に書いている。

sekaiwokaeyo.hatenadiary.com



6.参考図書

 著者の新井紀子氏は数学者である。また、研究者のべ100人と共に、東大合格を目標にAIを作った。よって、この本の情報の信頼性は高い。

*1:新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年

 

以上です。

反論頂けたら幸いです。